映画 虐殺器官 感想!

それは愛が呼び起こす本能

伊藤計劃最終章

 マングローブ破産によって3作連続公開の夢破れてからはや2年。マングローブから新たに設立されたスタジオジェノスタジオに制作が引き継がれ2017年のこのときに遂に「Project Itoh」のラストを飾ることになった「虐殺器官」見に行ってきました。本当だったら「死者の帝国」→「虐殺器官」→「ハーモニー」という順番だったけれども(3つ見るとこの順番が一番「Project Itoh」の計画を遂行するにふさわしい順番をしている)こうして無事に公開されることが出来ただけでも満足。

 PVを見るとマングローブ時代のシーンも手直しされているところを見ることはできるけれども全体的なところを見るとその違いを感じさせる大きな逸脱はなかったと思うところだ。R15指定を受けている本作ではあるけれども、シーンとしてグロさは感じられなかったかな・。死や殺しに対するグロテクスさでいえばハーモニーの方が強かったように感じる。目玉ぶち抜きシーンも2シーンぐらいしかなかったし、R15としてはそれこそグロテスクなところが強く出たというよりは少年兵に対するシーンがあるからだと個人的には思える。

 ハリウッドで実写映画化が企画されているけれどもこの作品的にこのシーンをどうするのか?というところはある。出てくる少年兵たちを有無を言わさずにジェノしていくわけけだしそれに対する葛藤もマスキングされてあらわさないわけだし少年兵は麻薬やっている訳でこの辺りのシーンが無味の向こうの実写化によってどうなるのかというところはある。アニメとsてもそのまま行くのだろうか?アニメのシーンとしては上手く隠されていた印象はあるかな?決して顔を映さないという方法で残虐性を緩和していたように感じるところ。

 物語りとしては一人の兵士から見た人間の歪んだ表現の物語と言ったところだろうか?しかしながらしかしながらこの作品が映像化するにあたって一番難しい作品だったように感じるところだ。ジョンとクラヴィスの最終対話のシーンとか映像的な追求と言葉による追求との両立は難しかったように感じられるところではある。噛み砕かないと分かりずらいところは十分にあるかなと思うし、噛み砕かされたところもあるとは思うけれどもまだまだ荒削りに感じるところもあるかなと感じる。

 虐殺器官とは一体何か?人間の遺伝子に太古の昔からきざまれた器官でありそれは誰しもが持つ者である。言葉に夜刺激によって人は普段抑えている虐殺器官を解放させ原始的に感情をマスキングさせることが可能となる。 その虐殺器官の根元はジョンの言葉からすると他者を守るべきものを守ろうとする本能がそれを器官に至らしめていると。つまりは人の原始的器官の一つである「愛」そのものが虐殺器官の根元であると。 それに訴えかける言葉自体は出てこなかったわけではあるが俺に訴えかけるジョンの言葉の力は人が原始的に持つから寄り強力に働くのだろうと。

 ジョン自身は自分が守ろうとしたものを守ることが出来なかったために、自分が生まれ育った地を守る対象としてテロを抑制するために虐殺を引き起こしていたわけではあるがそう考えるとジョンは英雄なのだろうかそれともやはり極悪人なのだろうか?この2つの側面こそこの作品が一番いい表したかったものではないのだろうかと感じるところ。永遠に答えが出ることのないであろう二面性はこの世界そのものを言い表しているかのようにも感じられたところだ。

 この作品にとってジョンとクラヴィスの幾度の邂逅が一番重要であってそれこそその二人の会話こそがこの作品を包括するべき言葉を持っているように感じられるところだ。部隊・舞台はそれこそ二人の言葉を補完フォローするための舞台・部隊上の装置に過ぎず、そこに大きな意味を見出すものではないようにも感じられるところだ。 

 駒を動かす存在としての理想的な司令塔であるジョンポールという存在、実際にコマとして動く理想的な存在兵士であるクラヴィス・シェパード、そしてその二つを見る一般人としての存在であるルツィア・シュクロウポヴァ。
この一般人・市民に近い存在であるルツィアがポール側についていることが多いというのも一つ興味深いところではあるとかんじるところではあるかなと思う。

 虐殺器官という愛するものを守る器官。これはハーモニーにも通じるし死者の帝国にも通じるところがある。兵士としての存在としてはメタルギアに近いかもしれない。もしもメタルギアシリーズで伊藤計劃氏がノベライズではなく本編を小島監督と共に書いていたらどういった物語が紡ぎ出されていただろうかと思うと興味深いところではある。

 彼の残した三つの計画はアニメとしても完遂されたわけではあるが、この傷跡をどうしていくのかは計画を見たものが新たな計画を立てていかなければならないと思う。人に対する警告。人に対する賛美。人としての帰還を作り上げハーモニーを奏で死を乗り越える帝国を築くことが出来るのか?計劃は人々の手に委ねられている。
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